Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
   
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・ワインを見る 色
グラスに注がれたワインはまず目で楽しみます。それは濁りや浮遊物の有無などワインの状態を確かめることでもあります。
ワインの色は品種や収穫年による違いがまずあり、同じ品種でも製造法と熟成度合いによる変化があります。長期保存に向く赤と甘口の白は、品種による違いに加えて熟成による変化が顕著にみられます。一方、長期に保存することが少ない辛口の白やロゼの場合、品種と製造法による違いが主で、熟成による色の変化は少ないとされますが、産地によっては熟成向きの辛口白ワインもあるので注意が必要です。
品種による違いはさておいて、赤ワインの熟成による色の変化は例えばボルドーの場合、赤紫→ルビー→ガーネット→オレンジ色→煉瓦色→琥珀色、白ワインの場合は薄い黄色または薄い黄金色→わらのような黄色→濃い黄金色→黄銅色→琥珀色の順と言われます。しかし、生産地が違えば同じようにはならないでしょうから、ひとつの参考として「年を経ると色は変わる」ということだけ覚えておいてください。

・色を見る
ワインの色は基本的に以下の三つについて語られます。
Couleur(f)(クルール):色
robe(f)(ローブ):色調
nuance(f)(ニュアンス):色あい
(ワインの縁と中央の微妙なアンジュレーションとか光の反射のわずかな違いなど。感じ方は人それぞれ。)この言葉は香り、味にも使う。
色調や色あいについてソムリエが使う用語は少なくとも90以上ありますが、あまり覚える必要性を感じません。筆者にとっては色が濃いか薄いか、色あせていないか、濁りはないかといった程度で十分で、メモを取るときは自分の言葉で表現するようにしています。

・ワインの外観を見る
色以外の外観を表現する言葉も20ぐらいありますが、よく耳にする言葉もいくつかありますから覚えておいて損はないでしょう。
Brilliance(f)(ブリリアンス):輝き
Bulle(f)(ビュル):泡
lie(f)(リー):澱(おり)。
ワインを長く静置するとわずかに含まれる固形成分が細かな澱となって沈殿する。
cristaux de tartre(クリストー・ドゥ・タルトゥル):酒石。澱と異なり、ブドウに含まれる酒石酸とカリウム、カルシウムなどのミネラルが結合して生成されるクリスタル状の結晶。酸度が高くミネラルが豊富なワインを長く寝かせると生成される。口にしても無害だが、ジャリジャリした食感でほとんど無味。
 これら以外に、見ただけで分かるワインのtexture(f)(テクスチュール=質感)というものがあります。
Vin Gras(ヴァン・グラ):厚みのあるワイン。
グラスに注いだワインを回してみて内面への付き方でアルコール度数が高いか、グリセリンが豊富かなどを判断する。
Viscosité(f)(ヴィスコジテ):粘性。
グリセリンや糖分の多さを判断する。
Jambe(f)(ジャンブ):ワインの脚。
グラスを回して内面についたワインが長く糸を引くように落ちる状態。Viscositéの判断の基準にもなる。赤の場合ゆっくり落ちるワインはタンニンが豊富で長期保存が可能であることを示す。
Larmes(f)(ラルム):ワインの涙。
グラスに注いだワインの縁から毛細管現象によってグラス内面を昇ったワインがアルコールの蒸発とともに自重でたれ落ちる現象。アルコール度数の高いワインに顕著にみられる。


酒石   

ジャンブ ラルム