Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide- | |||||||
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③覚えておくと便利なワイン用語 ワインを楽しむうえでそれほど専門的な知識が必要だとは思いませんが、ボトルに貼ってあるラベルを読んだり生産者のホームページを見たり、あるいはワインの蘊蓄本を読んでみようといったときに、基本的な用語がわかっていればより理解しやすくなるというものです。 そこで、ワインに関する用語でよく耳にしたり見かけたりするものをフランス語と対訳で少し紹介します。 好みのワインを見つけようと思ったら、飲食店でも家でも、ワインショップの試飲でも、まずはいろんなワインを飲んでみることで、好みのワインがあったらそのワインの情報をできるだけ詳しく覚えておくことが大切です。たとえグラスで注文したハウスワインでも、美味しいと思ったら遠慮なくボトルを見せてもらい、生産地や品種、収穫年などラベルから得られる情報に加えて、実際飲んでみてわかる色、香り、味についてもメモを残しておきましょう。 レストランでワインをボトルで注文すると、まずラベルを見せられて注文どおりのワインであることを確かめます。次に目の前で抜栓してホストのグラスに少し注いでdégustation(デギュスタシオン)=テイスティングを求められます。これはそのワインに問題がないことを確かめるための儀式みたいなもので、実際にはソムリエやウエイターが抜いたコルク栓の匂いを嗅いで確かめますから問題が起こることはまずありません。しかし、デギュスタシオンには正しい手順があり、そこで得られる第一印象も好みのワインを見つけるための大切な要素ですから、ちょっと香りをかいでから飲み込むなんて手抜きをしないできちんとやりましょう。まずはデギュスタシオンの手順をおぼえて、そこからワインに関する用語に展開していきます。 ・dégustation デギュスタシオンは以下の3段階に分けて行います。 ⒈ ワインを見る:グラスの脚を持ち、光にかざして色の濃淡や澄み具合を見ます。一般的に澄んだ赤紫色の赤ワインと薄い黄色の白ワインは冷涼な地域産であることが多く、黒味が強い赤ワインとやや濃い黄金色の白ワインは温暖な地域で作られたものということになっています。このとき、アルコール度数の高いワインだとあとで紹介する「ワインの涙」が見えるはずです。次にテーブルクロスなど白いものをバックにグラスを傾け、輝きと透明度を確かめます。おかしな浮遊物や濁りがなければ問題ありません。次の香りを利く段階でグラスを回したときには「ワインの脚」を確かめることもできます。 この段階でワインの産地や使われている品種とともにメモを取っておくことが大事で、冷涼な地域か温暖な地域か、品種による色の濃淡の差はどうかなどの傾向がだんだんわかるようになってきます。 ⒉ 香りを利く:「香り」ワインの世界ではアロマと呼ばれ、第1アロマ=ブドウの品種に由来する香り、第2アロマ=発酵・醸造に由来する香り、第3アロマ=熟成に由来する香りの3つに分けられます。香りを表現する用語についてはのちほど整理します。まずグラスをそっと持ち上げて鼻に近づけ第1アロマを確かめます。これは揮発して消えやすい最初の香りを確かめるためでもあります。次にグラスを回してワインを空気に触れさせ鼻から大きく息を吸い込んで、立ち上ってくる揮発しにくい香りの要素を確かめます。ここでは第2アロマと第3アロマの両方を感じ取ります。さらに経験を積めば第1アロマのうち静置した状態では感じ取れなかったブドウが育った土地に由来する香りも感じ取ることができるかもしれません。少なくとも若いワインと熟成したワイン、注いだばかりのワインと空気に触れたワインでは同じ品種でも明らかに香りが違うことに気付くと思います。気を付けたいのは、高価な年代物のワインの場合香りもデリケートなので、あまりグラスを揺らさずにしばらく静置して香りが立ってくるのを待つのがマナーらしいです。 ⒊ ワインを味わう:ワインを一口含んで噛むように口の中全体にいきわたらせます。このとき、舌全体や歯ぐき、口がいなども総動員してボリューム感や味、まろやかさなどワインの全体的なバランスを感じ取ります。次に唇を細めて口の中のワインを泡立てるように空気を吸い込み鼻から息を吐きだします。これで空気を十分含んだときの複雑な香りがわかりますし、味覚では甘みと酸味のバランス、タンニンの強さやこなれ具合、その他の味の要素などを確かめることができます。 プロのデギュスタシオンではここでワインを吐き出すことが多いのですが、レストランでそんなことはできないので飲み込みます。喉ごしの良し悪しももちろんですが、口の中に残った香りの余韻がどのくらい続くかと、後味はどうかということを確かめます。この最初の一口で感じる第一印象をattaque(アタック)と言います。 デギュスタシオンでは、酸っぱすぎるとか不快な臭いがするとか明らかに変だと思ったときはお店の人にそう言って確かめてもらいましょう。 これをレストランでやるとなんだかキザっぽくて恥ずかしいとか、通ぶってるようで嫌味だなとか思われるかもしれませんが、好みのワインを見つけるためですから堂々とやってください。また、家でワインを飲むときにも必ずデギュスタシオンをしてメモを残しておくことをお勧めします。 ということで、次ページからはデギュスタシオンの手順に沿った用語から紹介します。 |
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