Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
   
    目  次  
・ワインを味わう

 
デギュスタシオンの作法どおり香りを利くところまで進んだらいよいよワインを味わいます。口に含んだワインを噛むように口全体にいきわたらせるといいましたね。この時、langue(ラング=舌)、gencives(ジャンシヴ=歯ぐき)、palais(パレ=口蓋)すべての味覚を総動員してそのワインの第一印象attaqueを感じ取ります。次にワインに空気を混ぜるように息を吸い込むのでしたね。これをaspirer un filet d’air(アスピレ・アン・フィレ・デール=空気の細い流れを吸い込む)といいます。そして鼻から息を吐いてrétro-olfaction(レトロ・オルファクション=戻り香)を確かめます。そのあと飲み込んでarrière-gout(アリエール・グート=後味)やpersister arôme(ペルシステ・アロム=残り香)、アロマのニュアンス、喉ごしなど全体の構成texture(テクスチュール)を感じ取ってデギュスタシオンは終了します。

 
味覚に関する言葉もたくさんありますのでかいつまんで紹介することにしましょう。
 ワインには
sucré(シュクレ=甘味)acidité(アシディテ=酸味)amertume(アメルチュム=苦味)salé(サレ=塩味)と4つの味があって、そのバランスが評価の大きなポイントになります。そういう味覚とは別に、甘口とか辛口といったいわゆる「飲み口」に関する単語がありますのでまずそこから。

1.飲み口
sec(セック)
:辛口
extra-sec(エクストラ・セック)
:極辛口、主として白ワインに使われる。
extra- brut(エクストラ・ブリュット)
:残糖度0の極辛口発泡性ワインに使われる。
brut(ブリュット)
:極辛口、主としてシャンパーニュなど発泡性ワインに使われる。
demi-sec(ドゥミ・セック)
:中辛口、これも発泡性ワインに使われる。
doux(ドゥー)
:甘口
extra- doux(エクストラ・ドゥー)
:極甘口
lourd ou lourde(ルールまたはルード)
:重い。lourdeはタンニンやアルコール度が高い場合「重すぎる」という表現にも使われる。
léger(レジェ)
:軽い
charpenté(シャルパンテ)
:骨格のしっかりした
délicat(デリカ)
:繊細な
élégant(エレガン)
:エレガントな
frais(フレ)
:新鮮な(酸味の表現によく使う)
fruité(フリュイテ)
:フルーティな
gouleyant(グルヤン)
:喉ごしがよく飲みやすい
moelleux(モワルー)
:柔らかな、まろやかな。白ワインに使われる用語。
onctueux(オンクチュオー)
:とろりとなめらかな
souple(スープル):しなやかな
soyeux(ソワイヨー)
:絹のようになめらかな。熟成によってこなれたタンニンの表現によく使われる。
 これくらいでいいでしょう。ちなみに、赤ワインの飲み口をひと言で表現するフルボディ、ミディアムボディ、ライトボディという言葉もよく耳にします。お店でワインを選ぶときある程度参考にできる便利な言葉ですが、現在手元の資料に120以上あるワインの味を表現するフランス語の中に直訳できる言葉は見当たりません。しいて言うなら、コクがあるという意味のcorsé(コルセ)という単語がいわゆるフルボディのワインを指しているようですが、fort(フォール=強い)とかrobuste(ロビュスト=頑丈な)といった用語も赤ワインの総合評価に使われますから赤ワインのテクスチュールをひと言で評価するのは無理なのだと思います。ミディアムボディに相当する言葉は全く見当たりませんし、ライトボディも単純にlégerではないと思います。