Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide- | |||||||||||||||||
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174. Banyuls(バニュルス)Languedoc-Roussillon:1936。スペイン国境に近い ピレネーゾリアンタル県、Côte Vermeille(コート・ヴェルメイユ)地区のCollioure(コリウール)、Port-Vendres(ポール・ヴァンドル)、Banyuls-sur-Mer(バニュルス・シュル・メール)、Cerbère(セルベル)という4つのコミューンで作られるVin
doux naturelという甘口酒精強化ワインのアペラシオン。長期熟成を経たものはBanyuls grand cruと呼ぶ。土質は頁岩の風化土。 主要品種はグルナッシュ・ノワール(50%以上、grand cruは75%以上)、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ブラン、マカブー、マルヴォワジー、ミュスカ。アクセサリー品種としてカリニャン、サンソー、シラーの使用が認められる。 遅摘みした糖度の高いブドウを使い、発酵途中でアルコールを添加して発酵を止めるためブドウの甘味がしっかり残る。アルコール度数は14~20度に達する。木製の樽で10か月以上、グラン・クリュは30か月以上熟成してから瓶詰めされる。赤、白、ロゼがあるが、白もロゼも褐色を呈する。ドライフルーツ、タバコ、なめし革、スパイスなどバニュルスらしい豊かなアロマは熟成によって生まれる。このうち透明なガラス瓶に詰めて日光にさらすという特殊な高温酸化熟成を経ることで独特ななひね香を発するものを特にBanyuls Rancio(バニュルス・ランシオ)、Banyuls grand cru Rancio(バニュルス・グラン・クリュ・ランシオ)と呼ぶ。 食後酒にするのが最もよく、チョコレート、ブルーチーズ、フルーツ、シガーなどと共に楽しむのがよい。食事に合わせるならイセエビの赤ワインソースが最高の組み合わせになる。 普通のワインも作られているが、AOC Collioure(コリウール)に含まれる。 175. Blanquette de Limoux(ブランケット・ドゥ・リムー)Languedoc-Roussillon:1938。オード県の標高200~450mに位置する41のコミューンで伝統的製法で作られる発泡性ワインのみのアペラシオン。最古の発泡性ワインと呼ばれており、Blanquette méthode ancestrale(ブランケット・メトード・アンセストラル=伝統製法のブランケット)という製法それ自体がAOCである。 セパージュはMauzac(モーザック)100%。1次発酵は完全に自然な状態で行なわれ、3月の満月ごろに瓶詰めしたのち瓶内で9か月かけて2次発酵が行なわれる。瓶詰めの段階で糖や酵母を追加しないところがシャンパーニュの製法と異なっており、2次発酵が終わってもアルコール度数は7度未満と低めである。これがブランケット・メトード・アンセストラルでAOCの認証に最も重視された理由である。 果物や花の香りが際立っており、特に青リンゴと蜂蜜のニュアンスを感じる。デザートによく合うとされるが、カスレなど土地の料理との相性もいい。6~7℃に冷やして供する。同じ製法で作られる微発泡性ワインCrémant de Limoux(クレマン・ドゥ・リムー)は1990年に追加認証されたが、使用品種に違いがあるため別の独立したAOCとして扱われることが多い。(184.Crémant de Limouxの項参照)
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