Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide- | |||||||||||||||||||||||||
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192. Muscat de Frontignan(ミュスカ・ドゥ・フロンティニャン)またはVin-de-Frontignan(ヴァン・ドゥ・フロンティニャン)Languedoc-Roussillon:1936。エロ―県のFrontignanとVic-la-Gardiole(ヴィク・ラ・ガルドワル)という2つのコミューンで作られるvins
doux naturelsという極甘口白ワインの村名アペラシオン。 セパージュはミュスカ・ア・プティ・グレン。新鮮なミュスカの持つ麝香のアロマが強く、食前酒にもデザートワインにも向く。ポタージュに合わせるのもいい。カクテルにも使われる。 193. Muscat de Lunel(ミュスカ・ドゥ・リュネル)Languedoc-Roussillon:1943。Hérault県のLunel(リュネル)とLunel-Viel(リュネル・ヴィエル)、Saturargues(サテュラルゲ)、Vérargues(ヴェラルゲ)という4つのコミューンで作られるvins doux naturelsの村名アペラシオン。 セパージュはミュスカ・ア・プティ・グレン。1本の木の枝を6本まで剪定して収量を抑えることにより糖度の高いブドウを作る。新鮮なミュスカの持つ麝香のアロマが強く、食前酒やデザートワイン、カクテルなどのほか、サーモンのグリルや温かい野菜料理などの仕上げに使うソース・オ・ヴァン・ミュスカsauce au vin muscatというソースにも使われる。 194. Muscat de Mireval(ミュスカ・ドゥ・ミルヴァル)Languedoc-Roussillon:1959。Hérault県Montpellier(モンペリエ)近くの地中海に面した Mireval(ミルヴァル)とVic-la-Gardiole(ヴィク・ラ・ガルドワル)という2つのコミューンで作られるvins doux naturelsの村名アペラシオン。土質は石灰質粘土で、気候は夏冬の寒暖差が大きい。 セパージュはミュスカ・ア・プティ・グレン。食前酒にも食後酒にも向くが、フォワグラや強いウォッシュタイプのチーズ、ポタージュ、フルーツサラダなどとの相性がいい。カクテルに使われることも多い。ソース・オ・ヴァン・ミュスカにも使われる。 195. Muscat de Rivesaltes(ミュスカ・ドゥ・リヴザルト)Languedoc-Roussillon:1956。ピレネーゾリアンタル県の89、オード県の9のコミューンで作られるvins doux naturelsの地区アペラシオン。オード県の生産地はAOC Fitouの範囲と重複する。地中海性気候で土地は痩せて乾燥している。 主要品種はミュスカ・ア・プティ・グレン、補助品種として近縁種のミュスカ・ダレクサンドリーmuscat d'Alexandrie(地方名muscat romain)を使うことが認められる。食前酒にも食後酒にも向く。フォワグラのテリーヌ、メイン料理のあとに供されるアントルメという小さな甘いものなどがよくあう。7℃前後に冷やして供する。 196. Muscat de Saint-Jean-de-Minervois(ミュスカ・ドゥ・サン・ジャン・ドゥ・ミネルヴォワ)Languedoc-Roussillon:1949。エロ―県のSaint-Jean-de-Minervoisというコミューンで6軒の生産者だけが作るvins doux naturelsの村名アペラシオン。標高250~280mの石灰岩台地に広がる石ころだらけの畑。Minervoisを指すオック語のメネルベMenerbèsはケルト語の「men=石」に由来する。 セパージュはミュスカ・ア・プティ・グレン。1本の枝の付け根に近い花芽を最大2つだけ残すことにより糖度の高いブドウを収穫する。搾ったばかりの果汁糖度は、225g/ℓ あり、アルコール度数15度以上、糖度125g/ℓ の極甘口ワインになる。生産量は40hl/ha に抑えられる。食前酒やデザートワイン、カクテルなどに向くほか、ソース・オ・ヴァン・ミュスカで仕上げた魚や野菜料理にもよく合う。 197. Rivesaltes(リヴザルト)Languedoc-Roussillon:1972。ピレネーゾリアンタル県とオード県にまたがる地域アペラシオン。生産地はMuscat de Rivesaltesと同じで赤と白のvins doux naturelsを作るが、使用できる品種がMuscat de Rivesaltesより多い。オード県のコミューンはAOC Fitouの範囲と重複する。土質は産地によってヴァリエーションがあるが、おおむね痩せて乾燥した土地である。 主要品種はグルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ノワール、マカブー、トゥルバ(Roussillonでの地方名マルヴォワジー)。アクセサリー品種はミュスカ・ア・プティ・グレンとミュスカ・ダレクサンドリー。桶または樽による最低2年の酸化熟成により独特の色合いと香りが生まれる。白は2年目には薄い褐色だが、5年以上熟成すると濃い褐色に変化する。花のアロマがシェリーのようなひね香に変わり、蜂蜜やドライフルーツのニュアンスが出てくる。赤は2年目はイチゴや果物のコンフィのような甘い香りを放つが、5年以上熟成してレンガ色になったものは焦げ臭やドライフルーツのニュアンスが出てくる。 赤も白も食前酒にもなるが、デザートワインとしてフルーツやケーキ、チョコレートなどとともに楽しむことが多い。 これらのワインはローマ時代にもガリア属州の高級デザートワインとしてローマ本国でも高い人気があったという。
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