Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
   
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237. Rosé de Loire(ロゼ・ドゥ・ロワール)Loire:1974。アンジュ―とトゥーレーヌの広い範囲で作られるロゼの広域アペラシオン。メーヌ・エ・ロワール、アンドル・エ・ロワール、ロワール・エ・シェール、ドゥー・セヴル、ヴィエンヌ各県でロゼを生産するすべてのコミューンを網羅する。土質は産地ごとに異なる。
セパージュは各産地の規定によるが、主要にはカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、グロロー、ピノ・ドーニス、ガメ、コット。醸造法もムー・ドゥ・プレス(圧搾果汁)とセニエの両者があり、できるワインの特徴も産地による差はあるが、だいたいがフルーティで飲みやすく安価なものが多い。

238. Saint-nicolas-de-bourgueil(サン・ニコラ・ドゥ・ブールゲイユ)Loire:1937。トゥーレーヌのアンドル・エ・ロワール県にある同名のコミューンだけの村名アペラシオン。土質は粘土の基盤層の上に堆積した砂礫土。
赤(98%)、ロゼ(2%)。:カベルネ・フラン(90%以上)、カベルネ・ソーヴィニヨン(10%以内)。赤は鮮やかな赤紫色で赤い小さな果物とスミレのアロマにフランボワーズ、甘草、蜂蜜、スパイスのニュアンスを持つ。普通の年のものは白身肉のグリエやシャルキュトリと合う。14℃前後で供する。2~5年以内に飲む。
よい年の赤は10年ほどでみごとに熟成する。こちらは赤身肉のグリエやジビエとの相性がいい。17℃前後で供する。ただひとつのコミューンが生み出すこのユニークな赤ワインはロワールの中でも群を抜いている。
ロゼは樽熟成を経て出荷するためフルーティながらコクがある。シャルキュトリやピザなどにも合う。10℃前後で2年以内に飲む。
赤とロゼ以外にAOPではないがCoëf(コエフ)という珍しいワインも作られている。これは樹齢50年以上の木から収穫したカベルネ・フランの圧搾果汁と丸のままの果実を混合して90日間密閉タンクで発酵させ、アンフォラという素焼きの壺で9か月かけて熟成したもので、古酒を思わせる濃厚な味わいを持つ。

239. Saint-Pourçain(サン・プルセン)Loire:2009。オーベルニュ地方アリエール県のSaint-Pourçain-sur-Sioule(サン・プルセン・シュル・シウール)を含む20のコミューンの地区アペラシオン。土質は砂礫混じりの石灰質粘土と花崗岩質粘土。
赤とロゼ:主要品種ガメ(40%以上)。補助品種ピノ・ノワール(25%以上)。赤はルビー色で軽い酸味があり、干した果物の香りを持つ。
白:主要品種シャルドネ(50%以上)、tressalier、sacy(20~40%)、補助品種ソーヴィニョン・ブラン。藁のような黄色で、生き生きとした柔らかな酸味を持つ辛口。
どのワインも魚の蒸し煮やクリームソースで仕上げた串焼き、ミートパイなどのほか、pompe aux grattons(ポム・オー・グラトン)というAllier県の郷土料理である脂かすを練り込んだパンにも合う。白とロゼは10℃前後で、赤は15℃前後で5年以内に飲む。

240. Sancerre(サンセール)Loire:白1936、赤とロゼ1959。Centre-Val de Loireのシェール県のBerry(ブリー)地方にある14のコミューンの地区アペラシオン。土質はフリント混じりの石灰質粘土。
赤とロゼ:ピノ・ノワール100%。美しいサクランボの赤で花のような香り。力強さと繊細さをあわせ持つ。ロゼはセニエによる。辛口で甘酸っぱい。どちらもチキンなど白身肉のロティとの相性がいい。赤は15℃前後、ロゼは10℃前後で3年以内に飲む。
白:ソーヴィニョン・ブラン100%。薄い黄金色で白い花やグレープフルーツのアロマに土質からくる火打石のニュアンスがある。辛口だがフレッシュな柔らかい酸味があり飲みやすい。温かい前菜や貝類、エビ、カニ、山羊乳チーズとよく合う。10℃前後で3年以内に飲む。


サン・ニコラ・ドゥ・ブールゲイユ村 サン・ニコラ・ドゥ・ブールゲイユの畑
     
赤          ロゼ コエフ       ノロジカのロティ
Saint-Pourçain-sur-Sioule サン・プルセンの畑
      
 赤          ロゼ       白                ポム・オー・グラトン