Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
   
    目  次  
218. Cour-Cheverny(クール・シュヴルニー)Loire :1997年。ロワール・エ・シェール県のAOC Cheverny の中の11のコミューンに限定した白ワインだけのアペラシオン。土質はフリントを含む砂質粘土と石灰質粘土。
セパージュはロモランタン100%。フランスではここだけに残っている品種である。遅摘みすることによって果汁糖度が高くなる。輝きのある黄金色でアカシアやハチミツの香り。辛口だがまろやかで後味が長く残る。魚料理や貝類など海の幸によく合う。保存期間は10年程度。最高の年のものは25年以上、100年も保存可能なものもある。10℃前後で供する。

219. Crémant de Loire(クレモン・ドゥ・ロワール)Loire:1975年。ロワールのメーヌ・エ・ロワール、アンドル・エ・ロワール、ロワール・エ・シェール、ドゥー・セヴル、ヴィエンヌの5県で作られる Crémant(微発泡性ワイン)の広域アペラシオン。Anjou-Saumur(アンジュー・ソーミュール)に14、Auvergne(オーベルニュ)に4つ、Centre-Loire(サントル・ロワール)に9つ、Pays Nantais(ペイ・ナンテ)に7つ、Orléanais(オルレアネ)に2つ、Touraine(トゥーレーヌ)に16のアペラシオンがある。土質は頁岩の風化土かterres noires(黒い大地)と呼ばれる頁岩質粘土。
Crémant Blanc(85%):シュナン・ブラン、シャルドネ、オルボワ。輝きのある緑色を帯びた淡い黄色で、リンゴのような香りにクルミ、アーモンド、ヴァニラなどのニュアンスが加わった繊細なアロマ。軽く優しい口当たりの中甘口。
Crémant Rosé(15%):カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ドーニス、ピノ・ノワール、グロロー・グリ。サーモンのようなバラ色で、イチゴやフランボワーズのなど赤い小さな果物のアロマ。若々しい感じの中甘口。
2次発酵は伝統的に瓶内で行う。白、ロゼともキールなど食前酒になるほか、ロワールの川魚、カレイやオマール、乳飲み仔羊や鶏肉などの料理とも合う。また、パン・デピスや甘いフレンチトースト、焼いたバナナ、リンゴ、イチジクなどとともにデザートワインとしても楽しめる。6~8度に冷やして新酒のうちに飲むのがよい。

220. Fiefs-Vendéens(フィェフ・ヴァンデーン)Loire:2011。大西洋に面したヴァンデ県に散在するMareuil(ムルイ)、Brem(ブルン)、Vix(ヴィクス)、Pissotte(ピソット)、Chantonnay(シャントネ)という5つの地区にある計19のコミューンの地区アペラシオン。VDQSからの昇格。fiefsは「封地」と訳され、領主が臣下に与えた土地のこと。土質は砂質粘土と礫混じりの石灰質粘土。
赤、ロゼ、白が作られるが、地区ごとに栽培される品種とワインに違いがある。
Mareuil地区:10のコミューンがある。赤:ガメ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール。地元では「ragoutant(食欲をそそる)」という異名がある。白:シュナン・ブラン、シャルドネ。
Brem地区:6つのコミューンがある。赤とロゼ:ガメ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン。白:グロロー・グリGrolleau gris、シュナン・ブラン、シャルドネ。
Vix地区:同名のコミューンのみ。赤とロゼ:ガメ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン。Bremよりカベルネ・ソーヴィニョンを多く使う。
Pissotte地区:同名のコミューンのみ。白:ミュスカ、シュナン・ブラン、シャルドネ。
Chantonnay地区については情報に接していない。
赤は総じて軽く、タンニンが少ないフルーティな味わい。15℃前後で若いうちに飲む。ロゼはフレッシュでフルーティな辛口。MareuilとBremの白はフレッシュな辛口。リンゴなど白い果物のアロマが豊富で余韻の長い味わい。Pissotteの白はブドウの果実のような甘いアロマで滑らかな喉ごし。どちらも海の幸によく合う。ロゼと白は10~12℃で若いうちに飲む。

 
クール・シュヴルニー   ロモランタン              
         
        クレモン・ドゥ・ロワール白              ロゼ
   
 ピソット村(フィェフ・ヴァンデーン) 赤           ロゼ             白 
   
,