Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
   
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Sud-Ouest(シュドゥェスト=南西部):フランス南西部、Nouvelle-Aquitaine(ヌーベル・アキテーヌ)地域圏南部Occitanie(オクシタニ―)地域圏南西部に散在する数多くのアペラシオンを総合した産地名称。 Nouvelle-Aquitaine地域圏のDordogne(ドルドーニュ)、Gironde(ジロンド)、Landes(ランド)、Lot-et-Garonne(ロット・エ・ガロンヌ)、Pyrénées-Atlantiques(ピレネー・ザトランティック)、Occitanie地域圏のLot(ロット)、Aveyron(アヴェロン)、Gers(ジェール)、Haute-Garonne(オート・ガロンヌ)、Tarn(タルン)、Tarn-et-Garonne(タルン・エ・ガロンヌ)、Hautes-Pyrénées(オート・ピレネー)各県の広大な範囲ににまたがる。AOCは30。IGPの生産も多い。年間総生産量は約283,600キロリットル。
 広大な産地は以下の4つの地域に大別される。
①ベルジュラックを中心とするBergeracois(ベルジュラソワ)、
②ガロンヌ川中流域のMoyenne Garonne(ムワイエンヌ・ガロンヌ)、
③東寄りのMide Pyrénées(ミディ・ピレネー)、
④大西洋岸のペイ・バスクをカバーするPiemont Pyrénéen(ピエモン・ピレネーン)

地域全体の基盤層はピレネー造山運動で隆起した第四紀以降の石灰岩で、土質は砂質土、石灰質粘土、フリント混じりの湖底堆積粘土、礫混じりの氷河堆積土、河川による沖積土など変化に富む。内陸部と大西洋岸、Dordogne、Garonne、Lot、Tarnなど各河川沿い、ピレネー山麓や中央山塊の起伏に富んだ地形など、立地の違いで地質や気象条件は様々に異なる。
栽培されるブドウも多種多様でそれぞれに個性的なワインが生み出される。南西部で使用が認められているセパージュは以下のとおり。
赤の主要品種:Abouriou、カベルネ・フラン、マルベック(コットまたはオクセロワ)、Duras、フェール・セルヴァドゥ、ネグレット、Prunelard、タナ。赤のローカル品種: Jurançon-noir、Négret de banhars、Portugais bleu、Pounjut、Valdiguié。
白の主要品種:コロンバール、グロ・マンサン、Loin de l'œil、モーザック、プティ・マンサン、ソーヴィニョン・ブラン、セミヨン、ユニ・ブラン。白のローカル品種:Arrufiac、Baco blanc、Baroque、クレレット、Courbu、Folle-blanche、Jurançon-blanche、ミュスカデル、オンダンス、Raffiat de Moncade、Saint-Côme(別名Saint-Pierre Doré)。
作られるワインも赤、ロゼ、白、極甘口白ワイン、酒精強化ワイン、発泡性ワインなどほぼすべての種類を網羅している。
 南西部は河川の渓谷美やピレネーの絶景など美しい自然景観が楽しめるほか、旧石器時代の装飾洞窟、ガロ・ローマの遺跡、サン・ティアゴ・デ・コンポステラ巡礼道に残るロマネスクの教会群、いくつかのフランスの最も美しい村など歴史遺産の宝庫として見どころが多い。そればかりでなく、美食の里として有名なペイ・バスクや、フォワグラ、トリュフの名産地として名高いペリゴールなどを擁し、特色ある各地の郷土料理とワインのマリアージュも楽しみな土地である。


 シュドゥェスト産地地図