Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
   
    目  次  
264. Béarn(ベアルン)Sud-Ouest:1975、1991。ヌーベル・アキテーヌ地域圏のピレネー・ザトランティック県とオクシタニ―地域圏のオート・ピレネー県、ジェール県の3県にまたがる。アペラシオンは1975年認証のBéarnと1991年追加認証のBéarn-Bellocqの2地区に分けられる。Béarn地区には、ピレネー・ザトランティック県に74、オート・ピレネー県に6つ、ジェール県に3つのコミューンがある。Béarn-Bellocq地区はピレネー・ザトランティック県のBellocq(ベロック)を含む4つのコミューンで構成される。土質はフリント礫混じりの砂質粘土と砂岩風化土が混在し、白色石灰岩の氷河堆石(モレーン)が随所に見られる。
赤:主要品種タナ(50%)、カベルネ・フラン(ベアルンでの呼び名はブーシーBouchy)(15%)、カベルネ・ソーヴィニョン(15%)。アクセサリー品種(合わせて20%)Courbu noir、フェール・セルヴァドゥ、マンサン。ブルーベリー、キイチゴ、カシスなどのアロマが際立つ飲みやすいワイン。赤身肉のグリエ、ソースで仕上げた鶏肉、鴨のコンフィ、ジビエ、Abbaye de Bellocq(アベイ・ドゥ・ベロック=ベロック修道院)という地元の修道院で作られる同名の羊乳チーズなどとよく合う。2~5年のうちに飲む。
ロゼ:主要品種、アクセサリー品種とも赤と同じだが、アクセサリー品種の総割合が30%になる。赤い小さな果物のアロマ、フレッシュでのどごしがいい。シャルキュトリ、ミックスサラダ、焼き魚などに合う。新酒か若いうちに飲む。
白:主要品種 グロ・マンサン、プティ・マンサン、Raffiat de Moncade(合わせて70%)。アクセサリー品種Camaralet de Lasseube、Courbu、Lauzet、Petit Courbu、ソーヴィニョン・ブラン(合わせて30%)。甘口と辛口がある。甘口はフォワグラやブルーチーズ、デザートに合う。辛口は8~10℃に冷やしてオードブルと合わせるか、魚やエビ・カニの料理とともに食中酒としても楽しめる。新酒か若いうちに飲む。辛口の白は特にRousselet de Béarn(ルーセレ・ド・ベアルン)と呼ばれる。

265. Bergerac(ベルジュラック)Sud-Ouest:1936。ドルドーニュ県ベルジュラック郡の90のコミューンの広域アペラシオン。土質は湖底堆積石灰岩の母岩の上にDordogne川の沖積作用で堆積したフリント混じりの石灰質粘土。赤、白、ロゼを作る。
赤とロゼ:主要品種(合わせて65%以上)カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、コット、マルベック、メルロー。補助品種(合わせて25%以内) Fer servadou、Mérille(地方名Périgord noir)。赤は木製の樽でアッサンブラージュするためイチゴ、カシス、赤い果実のアロマが複雑に絡み合う。フルーティで滑らかな飲み口。3年ぐらいの若いうちから飲めるが、15年程度保存可能。
ロゼは淡いサーモンピンク、フルーティでのどごしがよく夏向きのワイン。焼き魚に合うほか、食前酒、食後酒としても楽しめる。新酒のうちに飲む。
:主要品種 ミュスカデル、ソーヴィニョン・ブラン、ソーヴィニョン・グリ、セミヨン(以上4種は合わせて50%以上)、ユニ・ブラン(25%以内)。アクセサリー品種 シュナン・ブラン、Ondenc(合わせて20%以内)。白はテロワールによって特徴に幅があるが、どれも焼き魚やエビ・カニ、若い山羊乳チーズなどと相性がいい。新酒のうちはフレッシュで生き生きしているが、数年置くと酸味のバランスがよくなり厚みが出てくる。


Béarnの風景 Bellocq城跡とブドウ畑
     
 赤      ロゼ                 アベイ・ドゥ・ベロック
 
 ベルジュラックの街角 ドルドーニュ川が流れるベルジュラックの風景 
   
               ロゼ                白             甘口白