Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
   
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285. Marcillac(マルシャック)Sud-Ouest:1990。アヴェロン県のMassif central(中央山塊)に位置するMarcillac-Vallon(マルシャック・ヴァロン)、Pruines(プリュイネ)、Salles-la-Source(サール・ラ・スールス)など11のコミューンのアペラシオン。土質はカルスト台地上に形成された酸化鉄を多く含む赤色石灰質粘土と頁岩の風化粘土。
赤とロゼ:主要品種フェール・セルヴァドゥ(90%以内)。補助品種カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルロー、Prunelard。フェール・セルヴァドゥは地域固有のセパージュで、タンニンが強く、フランボワーズやカシスの香りの地方色豊かなワインを造る。赤は1次発酵に時間をかけて濃い色と十分なタンニンを抽出するため野性的で力強い味わいになる。ロゼはセニエによる濃いバラ色のものと、圧搾して果皮の色が出た果汁を使う淡いバラ色のものの2者がある。フレッシュでフルーティ。
赤もロゼも牛肉、豚肉、仔羊肉や内臓などを使った郷土料理、アリゴ、トム、カンタル、ラギオルなど土地のチーズやロックフォールなどブルーチーズにも合う。

286. Monbazillac(モンバジャック)Sud-Ouest:1936。AOC ベルジュラックのうちドルドーニュ県のドルドーニュ川左岸に位置するColombier(コロンビエール)、Monbazillac、Pomport(ポンポル)、Rouffignac-de-Sigoulès(ルーフィニャック・ドゥ・シグレ)、Saint-Laurent-des-Vignes(サン・ローラン・デ・ヴィーニュ)という5つのコミューンで作られる極甘口貴腐ワインだけのアペラシオン。土質は砂と礫混じりのローム。
主要品種:ミュスカデル、ソーヴィニョン・ブラン、ソーヴィニョン・グリ、セミヨン。これらの品種はしばしば貴腐となり、長熟タイプの極甘口白ワインを生む。アクセサリー品種:シュナン・ブラン、オンダンス、ユニ・ブラン(合わせて10%以内)。貴腐により果汁糖度は221~255g/ℓ、アルコール度数は14~17度に達する。
4~5年の若いうちから飲める。黄金色がかった麦わら色。蜂蜜、アカシアや桃の花のアロマに柑橘のジャムや小さなスモモ、スパイスなどのニュアンスがある。いいものは20~50年も保存可能で、貴腐の長所が余すところなく花開く。食前酒としてフォワグラを使った前菜に合わせるのもよし、キノコの入ったクリームソースで仕上げた鶏肉にフォワグラを乗せたメインの料理にも合わせられる。甘いケーキやブルーチーズなどとともに食後酒として楽しむのもいい。5~8℃に冷やして供する。

287. Montravel(モンラヴェル)Sud-Ouest:1937。ドルドーニュ県のAOC ベルジュラックの中のLamothe-Montravel(ラモット・モンラヴェル)を含む14のコミューンで作られる赤と白だけのアペラシオン。274. Côtes du Marmandaisの範囲とほぼ重なるが、使用できる品種に違いがある。土質は礫混じりの白色石灰質砂質土でボルドーのサンテミリオンと類似する。
赤:主要品種メルロー(50%以上)。補助品種カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、コット。発酵桶か木製の大樽で2次発酵を行い、大樽で2年半熟成させる。出荷の解禁は3年後の4月15日と決められている。メルローがもたらすふくよかさとしなやかさがあるが、タンニンが豊富でサンテミリオンより力強い味わいである。赤身の肉やジビエのきのこソース、カマンベールなど白カビチーズや、カンタル、コンテなどハードタイプのチーズと相性がいい。
白:主要品種ミュスカデル、ソーヴィニョン・ブラン、ソーヴィニョン・グリ、セミヨン。補助品種オンダンス(10%以内)。辛口で、華やかでフルーティな香りの中にフリントのようなミネラル香を感じる。フリュイ・ドゥ・メールや魚料理、シェーヴルタイプのチーズと合う。2~3年のうちに飲む。



Marcillac-Vallon Pruines
 
バスクのチーズ 赤                 ロゼ
 
Chateau-de-Monbazillacと畑 Colombier
      
貴腐ブドウ 85年産   29年産古酒
    
Montravelの畑 赤      白      カンタル