Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
はじめに
やっぱりフランス旅は
いきなり面白い
ブルトン
またはケルトの国
メガリス Megalithes
ブルターニュ公国の古都
小さな海 
―mor bihan―
メガリス研究発祥の地
地の果て Finistère
ブルトンの村・建築
ブルターニュの最深部
―フィニステール北岸―
谷の町モルレー Morlaix
パリに戻ってさらに考えてみた
はじめに

ガリア、かつてギリシャやローマといった先進地からゴール人の住む辺境という意味でこう呼ばれていたフランス。この国はいまやヨーロッパ連合EUの盟主たらんとする大国であり、有数の世界遺産保有国でもある。
実は少し前まではフランスという国が大嫌いだった。先進国の中で最後まで核爆発を伴う核実験を行った国であるということが日本人として許せなかったのと、独立した旧植民地に対する実質的な経済支配をやめず、その富を収奪し続けてきたことが主な理由だ。今でも核実験場となった仏領ポリネシアが置かれている現状や、コートディボワールの情勢を見るにつけ、主権国家としてのフランスは好きになれないでいる。

しかし、嫌ってばかりいても何も理解できないし、ワインとチーズだけが好きというのではあまりに子供っぽい。これは実際訪ねてみなくては話が始まらんじゃないか、それもパッケージツアーではいかん。ということで、つれあいとのフランス通いが始まった。

2003年に行った初めてのフランス旅は、レンヌを起点にモン・サン・ミッシェルからカルナックのメガリス、中世の港町ラ・ロシェルからボルドーを抜けてペリゴールのラスコー洞穴、終点はトゥルーズと、ほとんどフランスを四分の一周するような無茶な行程で、一日中ドライブしていたような気がする。ひどく疲れた割に収穫の少ない旅だった。
地域とテーマを絞ってじっくり見て回らねばならんという反省から、前回の旅ではフランス南西部に焦点を定め、旧石器時代の装飾洞穴群や中世の城砦、それにサン・ティアゴ・デ・コンポステラの巡礼道の聖地などを訪ねて、人間の精神文化の黎明と、ヨーロッパの人々の起居振舞を今も律するキリスト教の世界を垣間見ることができた。その経験は「ガリア紀行その1オックの国」に納めたのだが、底知れぬヨーロッパの淵をのぞき見たことに加えて、思っていた以上に人情味あふれるフランスの田舎町と触れ合ったことで、花の都パリでは見つけにくいフランスのもうひとつの魅力に引きずり込まれていく自分を発見した旅でもあった。
 次なる目的地はフランスの中の異境とも言われるブルターニュだ。新たな発見を期して、2005年9月23日、パリ、シャルルドゴール空港に向けて旅立った。