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小さな海 mor-bihan
モルビアン湾 Golfe du Morbihan
ブルトン語でmor(海)bihan(小さな)と呼ぶこの湾は、南をリュイ半島Presqu’ile de Rhuys に囲まれ、西から伸びるケルパンイル岬Point
de Kerpenhirによって湾口は幅2㎞ほどに狭められている。浜名湖のようなイメージだが、湾内にたくさんの島が浮かぶ静かな内海だ。遠浅の部分が多いので大きな船が走れる航路は限られている。湾外へ出ても、南に細長く伸びるキブロン半島Presqu’ile
de Quiberonが西からの風と大西洋の荒波を防いでくれる。その外はかつて海賊たちが跳梁したビスケー湾だ。
現在は湾内でカキやムール貝の養殖が盛んに行われているが、もともと魚介類は豊富だったろうし、暮らしやすい場所だったと思われる。そんなことがこのモルビアン湾沿岸部に巨石の遺跡が集中している要因にもなっているのだろう。
ヴァンヌの博物館でいろいろと情報収集し、モルビアン湾に浮かぶエル・ラニ島のクロムレックやガヴリニ島のケルンも船で訪ねようと思っていたのだが、エル・ラニは現在上陸禁止、ガヴリニは事前の予約が必要と結局両方とも訪ねられなかった。当初の予定では、最初にリュイ半島先端のアルゾン周辺にあるプティ・モンなどのテュミュリュスを訪ね、そこからフェリーでケルパンイル岬のロクマリアケへ渡る予定だったのだが、ヴァンヌで聞いたところどうもフェリーはないらしい。アルゾンのナヴァロ港からロクマリアケまではたった4kmほどなのに、車だとヴァンヌから湾を一周半することになる。夕方から知らない田舎道の往復180kmは時間的にちとつらい。初めてのフランス旅のとき田舎道をなめていて、カルナックのホテルに着いたのが夜10時過ぎになってしまいまともな晩飯にありつけなかったことが頭をよぎり、アルゾンもパスせざるを得なくなった。
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