Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
カルナック 古墳の隣の古墳ホテル エルドゥヴァン 危ないぞ! 海辺のレストラン
はじめに
やっぱりフランス旅は
いきなり面白い
ブルトン
またはケルトの国
メガリス Megalithes
ブルターニュ公国の古都
小さな海 
―mor bihan―
メガリス研究発祥の地
ブルトンの村・建築
ブルトンの村・建築
ブルターニュの最深部
―フィニステール北岸―
谷の町モルレー Morlaix
パリに戻ってさらに考えてみた
秋のメガリスめぐりは危ないぞ

翌朝、さあ精力的に見て回るぞと出かけようとしたら、同宿の家族連れの男の子がわれわれの車を指差して何か言う。フランス語でも英語でもない、たぶんドイツ語だと思うのだが指差したところを見るとパンクしてやがる。それからトランクの床下からスペアタイヤと工具を探し出すのに一苦労、で、ジャッキも工具も使い慣れたものとはちょっと違うのでまた一苦労して、結局タイヤ1本交換するのに30分もかかってしまった。ホテルのスタッフに修理工場の場所を尋ねると、「たいていのガラージュは月曜が休みだわよ」と言うじゃないか。スペアなしでフランスの田舎旅は不安だなあと思案していたら、フロント係に戻ったおやじが「表通りに2軒向かい合ってあるガラージュなら日曜と月曜で休みを分け合ってるからどっちか開いてるよ」と教えてくれてほっとした。

ガラージュにタイヤを預けてメガリス巡りを再開した。クリュクノのドルメンDolmenn de Crucuno は巨石で構築した典型的な石室墳だ。民家の横にちょこんとくっついていてよくこんなところに残ったものだなあと感心した。マネ・グロDolmen de Mane Groh は羨道から4つの石室が張り出す翼廊ドルメンである。封土を持つドルメンは内部が真っ暗で、ケルト神話の小人コリガンが今にも飛び出してきそうだ。ケルトの神話にはドルメンが他界への出入り口としてしばしば登場するが、イザナギ、イザナミの神話や浦島伝説によく似た話があったりして興味深い。
あんまりたくさんのメガリスを見たので頭の整理がつかないが、マネ・リュタルDolmen de Mane Rutual のように 8畳敷きぐらいの巨大な天井石が載っているドルメンがあったり、持ち送りアーチ構造の石積みがあったりと、とても5000年も6000年も前のものとは信じられないような高い技術を目の当りにした。

ドルメンやメンヒルを探して林の中の小道をうろうろしていると、ドン、ドンという音がする。秋の日本の田舎で聞く雀脅しのような音なのだが、見ると畑の向こうの林から猟犬が出てきて走っていく。その後から銃を抱えた男が二人出てきてバンバンぶっ放してるじゃないか。人跡まれな山の中じゃないよ、村の中だよ。おいおい。秋から春がジビエのシーズンだとは聞いていたが、あぶないあぶない。それからは「人間やぞー、撃つなよー」とわめきながら歩いたのだが、つれあいには「大阪弁なんか相手には理解でけへんよ。かえって変なイノシシと間違われるかも」とばかにされた。人の声とわかりゃええんじゃ。