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フランスの最も美しい村
のシンボルマーク
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ローヌワイン街道と美しい村々
南仏には美しい村がたくさんある。特に、岩山にひっそりと築かれた「鷲の巣村」と呼ばれる隠れ里のような村が有名で、2004年の旅ではゴルドを訪ねた。今回も「フランスの最も美しい村」のいくつかを旅程に組み込んである。
以前も紹介したが、「フランスの最も美しい村Les plus beaux villages de France 」というのは文化省など国が指定する保護制度ではなく、民間団体による運動である。日本のように市町村合併が進んでいないフランスには古い家並みや昔ながらの生活が残る小さな村がたくさんあって、ご他聞に漏れず過疎化による衰退が深刻だった。小さな村の環境を保全しつつなんとか活性化したいと考えた一人の村長の呼びかけで1981年に始まったのがフランスの最も美しい村運動だ。最初、66の村で始まったこの運動は、現在154の村が参加するまでに拡大している。この運動に参加するためには、①人口2000人以下であること。②史跡や保護建造物を2か所以上持つこと。③運動に参加する意思を村議会で議決していること。の3点が必須条件で。そのほか建造物の修復の妥当性や村の都市計画、伝統産業、訪問しやすさなど27もの項目を運動事務局が審査する。
村レベルの運動ではあるがその効果は絶大で、観光客が増えることで腕のいいシェフがレストランを開いたり、芸術家が移住してきたり、土産物として伝統産業が復活したりと、抜群の経済効果をげているようだ。日本でもガイドブックが何冊か出ている。
今ではイタリア、スペイン、ベルギーのワロン地域、カナダのケベック州などに同様の運動が広がり、日本でも2005年に北海道美瑛町長の呼びかけで「日本で最も美しい村」運動が立ち上がった。日本での基準はフランスよりだいぶ緩いものだが、国内旅行の参考にはなるだろう。
また、今回旅する美しい村が点在する地域には、フランスの最も美しい村には登録されていないものの、負けず劣らず美しい小さな村がたくさんある。さらにこのあたりは、シャトー・ヌフ・デュ・パプをはじめ、ジゴンダス、ヴァケラス、ボーム・ドゥ・ヴニーズなどローヌ下流域の著名なワイン産地がきら星のごとく集中する場所でもある。今回訪ねる予定のガロ・ローマの遺跡はアルル周辺だけなので、ワイン産地ばかりめぐる3日目の行程は相方には不評じゃないかと心配したのだが、美しい村を随所に組み込んだのでおおむね好評だった。
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