Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
 
 
 
HIVER PRINTEMPS ÉTÉ AUTOMNE
 
1 Les mérites des congés parentaux pour les hommes.
(男性の育児休暇)

日本政府は男性に認められている育児休業取得のための数値目標を10%に定めた。しかし2005年度(2005年4月から2006年3月)、父親が育児休業を利用したのはたった0.5%であるため、期待した数値にならないことは明らかであった。
一部の外国の研究者は日本の出生率の低下の原因として、男性が働いている女性を本当の意味でパートナーとして対応するに至っていないことをあげている。
しかしながら若い世代の態度は著しく変化してきたようだ。子供の養育について、男性の40%は女性とまったく同等の能力をもっていると主張し、少数派だけが子供の教育はもっぱら女性の領域であるとの評価をしていた。
現代日本 201-203
2 Birmanie : le cyclone Nargis.  (ミャンマー台風)

2008年5月3日(土)と4日(日)、台風「ナルジス」が通過した後、軍事政権によって提供された最初の総括的な数字「死者350人、家屋破壊10万棟以上」と数少ない映像がビルマの人々に届けられたが、もたらされた災禍、とりわけ地方に関しては過小評価ではないかとの懸念を抱かされる。
 月曜朝、軍事政権は「この大災害は、新憲法可決のために予定されている5月10日の国民投票の延期には至らないだろう」と表明した。しかしながらタイ王国に亡命しているビルマの反体制派によると、災害に対する対応いかんによっては、国民投票が延期する必要性も十分にありうるという、軍政にとって極めて重要な試練となるであろうということだ。

社会事象  204-206
3 Goulag : L' archipel oublié.  (ソ連強制収容所)

 ソ連の時代の出来事について、プーチン時代のロシアは輝かしい過去だけを留め置く政策をとった。強制収容所や死刑執行などは組織的に記憶の彼方へと追いやられていた。
 ペルミ36収容所への訪問、20世紀における最も恐ろしいものの一つ、弾圧の為の機械、その最後の証人である。辺り一面は雪で覆われ、ウラル山脈からおりてくる凍てついた風がこの地の寂寥感を際だたせている。ペルミから120㎞に位置する人里離れたロシアの平原。クチノ(Koutchino)集落を過ぎると広大な白木の囲いと金属性の遮断帯門が突然姿を現す。衛兵所の向こう側、第2の門は上段に監視塔がある内部の柵(有刺鉄線による2重の壁、かつてこの鉄線柵に電気が通っていた)に通じており、窓が鉄格子でふさがれた建物に行くことができる。グラーグ、ソ連強制収容所の世界。。。
歴史文化  207-209
4 Faire face au troisième choc pétrolier.
 (第3次オイルショック)

 世界が被っている第3次オイルショックは、1973年の第1次オイルショック、1979年の第2次オイルショックと比べてどうか。
 それは異なるものだ。1970年のそれは、産油国側に走った衝撃が問題であった。相場の突然の高騰は中東紛争が原因である。1973年の石油の輸出禁止、イラク革命とイラン・イラク戦争が勃発した1970年から80年の後、価格は数ヶ月で3倍に高騰した。今日、需要側の原因で価格が高騰し、かつてより大きな価格高騰を被っている。1986年から2003年の間(1998年に10ドル以下に暴落も含め)20~25ドルで停滞していたが、その後バレル単価は緩やかに上っていた。新興国、特に中国とインドにおいて需要が増大したことに後押しされ、バレル単価は5倍に跳ね上がった。

政治経済  210-212
5 Cholestérol : Le moins est-il vraiment le mieux?
 (コレステロール)最も少ない値が、最も良いのだろうか?

600万人以上のフランス人は抗コレステロール剤を常用している。無駄なことか?
グルノーブルの心疾患専門医は、「コレステロールと心血管疾患との因果関係を示唆するものがないわけではない。しかし、私たちはそれを明示できるまでの確実なものが打ち立てられていない」と主張している。
★コレステロールは体に悪い!というイメージが強いのだが。。
科  学 213-215
6 Les mérites des congés parentaux pour les hommes. (2)

 職場での育児休暇取得に対する反応は、世代に応じて著しく異なっている。
最も年配の世代、彼らはむしろ否定的な立場をとっており、「気楽に暮らせる」機会のようなものとしてそれをみなしている。最も若い世代の人たち、彼らはポジティヴな反応を示す傾向にあり、同僚が明らかにした決心に称賛的である。
しかし、育児休暇期間、仕事を肩代わりしなければならない同僚の独身女性に「ご立派な身分」だと扱われたり、また彼女達が自身の仕事ですでに手一杯であった時などは、休暇を取る男性をあまり好ましく思っていなかったと言う意見が出ていた。このタイプの反応には、すべての労働者が公平な待遇のもと恩恵を受けているという感情がもてるよう、仕事そして子供の教育だけでなくプライベートな生活全体を両立するというアプローチの必要性が認識させる。
現代日本 216-218
7 Birmanie : Intervention d' urgence suite au cyclone Nagis. 
 (ミャンマー政府と台風ナギルス)

 ミャンマー(ビルマ)のいくつかの地域に襲いかかったサイクロン・ナルジスは数千人の死者と膨大な物質的被害をもたらすだろう。ラングーン在住の国境なき医師団(MSF)のチームは最初の援助隊を配置した。
 サイクロン・ナルジスがミャンマー(ビルマ)のいくつかの地域に打撃を与え通過した直後、この国に在住している国境なき医師団(MSF)のチームはラングーンと周辺地域の人々の必要性を判断し、それに応えている。ラングーンの南、DaalaとTwantey地域の30万近くの住居は、80%以上が破壊され、いくらかの場所は浸水したままである。
社会事象 219-221
8 France sous l' Occupation.  (占領下のフランス)

ドイツ占領下のフランス、時代は1940年代。
若い女性たちがドイツ兵を追いかけ通りに押し寄せる。自分の家族を親しい人を殺された敵国の兵士を、生きるためにすり寄り、生きるためにスパイとなる。いや、よりよい生活を手にするためと考えられたという方が正確なのか。日本でも敗戦後、子供たちが米兵の後を追いかけた。この子供たちは戦争の被害者として描かれることが多いが、ドイツ兵を追いかけた女性たちはパリ解放後、見せしめのために髪の毛をバリカンでかられ通りを歩かされたという。戦争を弱いものを犠牲にする。忘れてはならないついこの前の出来事。
歴史文化 222-224
9 La France importe encore la moitié de son énergie.  
 (第3次オイルショック?)

オイルショックがエネルギー資源のない各国にもたらせたもの。エネルギー価格の高騰が貧富の格差を広げていった。富める者は、エネルギー消費が少なく長時間かけての移動が必要のないパリに家をもつ。それに比べて貧困層にとっての家庭消費のエネルギー料金、通勤のための車のガソリン代がさらに生活を圧迫する。それでも地縁のある田舎に家を建てたいと望む人たちもいる。
その結果、フランスは原子力発電を中心としたエネルギー政策へと舵をきる。確かに安定したエネルギー供給は可能になったのかもしれないけれど、長い目でみた危険は人の命を奪っていく可能性がある。
政治経済 225-227
10 Cacophonie dans nos assiettes.  (料理の不協和音)

最初はとても単純なものだった。買い物リストにあるものを何も忘れていないかだけを考えていた。しかし、ある日あなたはショッピングカートとともに油売り場の棚の前で立ちどまります。どれを買えばいいのでしょうか。少し離れたところにあるバターとマーガリンの売り場の前でも同じ。さらにヨーグルトの並んでいる前に来るとパニックに陥ります。何故なら、最初のヨーグルトには「内面から肌を養う」とはっきりと示され、あなたの料理に勝手に入り込んできているのはもはや健康ではなく、「美」なのです。途方に暮れてあなたは棚の間を彷徨います。あなたの視線がオメガ3を含んでいるソーセージに止まった時、あなたは力尽きるでしょう。
科  学 228-230