Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-

フランスチーズを楽しみましょう  L‘agrément des Fromages de France

はじめに
AOC、AOPとIGP
チーズの種類とタイプ
★原料乳による分け方
生地pâte の種類

⑴ ハードタイプのチーズ
⑵ 柔らかいチーズ
⑶ ブルーチーズ
   ーPâte persillée―
⑷ 乳清チーズ
Fromage de Lactosérum
⑸ フレッシュなチーズ
   ーPâte fraicheー
⑹その他のチーズ
生産者による分類
製造工程の一例
フランスのチーズA~
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4. フランスのチーズ
 B
⑧ Brie de Meaux , Île-de-France ,AOC 1986 ,AOP 1996
ブリ・ド・モー:牛の無殺菌乳、PMCF、乳脂肪22%以上。直径36~37㎝、高さ3㎝、重量2.5~2.8kg。
Seine-et-Marne県Meauxのアペラシオン。1793年、Notre-Dame-de-Jouarre修道院で作られ始めたのが起源と伝える。1個あたり25リットルの牛乳を使い、凝乳は33℃で4時間かけて24℃になるまで乳清を分離する。その後19℃で6時間かけて残りの水分を切る。12℃の塩水に2日間漬け、7℃の冷蔵室に6~8週間置くときれいに白カビが付く。Meauxの地域内で2ヶ月間熟成させて出荷する。
4月から9月に作られたものを8~10週間熟成させたものが最もよく、ブルゴーニュ、コート・デュ・ローヌ、ボルドー、などの赤ワインやシャンパン、シードルとも相性がいい。ブリのガレットやチキン入り一口パイなどの料理にもつかわれる。
このチーズについては興味深い話が伝わっている。フランス革命のさなか1791年6月20日に、ルイ16世一家はパリを脱出しオーストリアに亡命しようとしたが、国境を目前にしたヴァレンヌVarennesの町で革命派に逮捕されパリに連れ戻された。これが「ヴァレンヌ事件」である。国王一家は8頭立ての大型馬車に豪華な調度品を満載し、逃避行とは思えない優雅な旅をしていたが、ヴァレンヌで夕食後に出された赤ワインを添えたブリが大いに気に入った王は先を急がせる側近の言うことを聞かずゆっくり食事を楽しんだため1泊することになり、翌6月22日の朝革命派に逮捕されたのである。その後のルイ16世と王妃マリー・アントワネットの運命は歴史に残るとおりで、その美味しさで王の分別を失わせたチーズというわけである。
ブリ・ド・モー

⑨ Brie de Melun, Île-de-France, AOC 1980 ,AOP 1996
ブリ・ド・ムラン:牛の無殺菌乳、PMCF、乳脂肪23%以上。直径24㎝、高さ3.5㎝、重量1.5㎏。
Seine-et-Marne県の町Melunのアペラシオン。ムランは他のブリよりも長時間かけて製造される。搾って20時間以内の生乳を18時間かけて凝乳にし、切り分けた後型に入れ33℃に保って4時間かけて乳清を分離する。6時間かけて24~19℃に冷まして型から出し、2日間塩水に漬ける。1週間12℃の部屋に置くと白い表皮ができ、7℃の冷蔵室で7週間熟成させて完成する。表皮は赤くなり白カビに覆われる。4月から9月に製造され、出荷後熟成士Maitre Fromagerによって10週間熟成したものが食べごろ。パン・ド・カンパーニュとガイヤックの赤ワインとのマリアージュがベスト。ブルゴーニュやコート・デュ・ローヌの赤とも合う。
ブリ・ド・モーより強いチーズになることから、「年を取ったブリ」、「黒いブリ」などとも呼ばれる。わずか7軒の乳業工場やフェルミエで作っているだけなので生産量は多くない。
ブリ・ド・ムラン