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地の果て Finistère
クロゾン半島 Presqu’ile de Crozon
フィニステールの先端は獅子が口を開けて吼えているような形をしているのだが、ドゥラネネ湾「Baie de Douarnenez 」とブレスト港「Rade de Brest」に囲まれて舌のように突き出ているのがクロゾン半島だ。面白いことにこのあたりからモン・ダレー山塊にかけての一帯がアルモリク地域自然公園「Parc Naturel Regional d’Armorique」と呼ばれているので、ここがアルモリカの中のアルモリカなのかもしれない。その先端がカマレ・シュル・メール「Camaret sur-Mer」で、このあたりには英仏百年戦争のころの砦やドイツ軍の砲台の残骸が海峡を睨むように残っていていろんな歴史を感じさせる。
メガリスの遺跡ではラジャティヤの列石「alignements de Lagatijar」が有名なところだ。海に向かって崖になっている海岸の高台の草地に高さ1~3mの立石が広範囲に並んでいる。何もさえぎるものがなく全体を見渡すことができるのだが、カルナックの列石のように何列にもなっているのではなく広場を大きく方形に囲んであって、まさにその真ん中が祭式の場であったように思えて特異な感じを受けた。方形の一辺は200mほどもある。
クロゾン半島にはたくさんのメンヒルが残っているのだが、その形や大きさから独立したメンヒルではなくかつては列石を構成していたと考えられているものが多い。ブルターニュではメンヒルや列石のある近くの土地の境界に石が並べられているのをよく見かけるが、みんな寝かせて並べてあるので列石との区別はつく。容易に動かせない大きな立石だけ残してこんなふうに破壊されていったんだろうなと想像がつくのだ。
武装兵士の分隊に出会ったカマレ・シュル・メールのクレープリーはロカマドゥール「Rocamadour 」という名の海岸通りに面した明るい店だった。ここでも念のためバコン・ウッフを頼んでみたが、出てきたのはやっぱりベーコンじゃなく、ロースハムを使ったハムエッグを載せたものだ。飲み物はやはりブルトンビールでBritt
の白というのを飲んでみた。これも少し濁りのある薄い色のビールで旨かった。
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