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Ⅲ. 三たびガリア・ローマへ(2016)
今度は順調だ
9回目を数える我々のフランス旅の舞台は3度目のプロヴァンスだ。前2度の旅で北はリヨンから南はマルセイユまで属州ガリア・ナルボネンシスとガリア・ルグドゥネンシスの主要な遺跡はほぼ巡り終えたつもりだったが、この紀行文を書き始めてからアルルで新たな発見があり、まだ見ていないところ、見足りないものがあることに不満を感じての旅である。
2016年8月初旬、マルセイユに向けて旅立った。関空のイミグレーションは中国人観光客の出国ラッシュの大混雑で、出発時刻になっても出国手続きができない。前のほうに並んでいた人の好さそうな夫婦に頼んで順番を譲ってもらったのだが、結局離陸も1時間遅れだった。離陸後の機内アナウンスで中国が上空通過の許可をなかなか出さなかったためと分かったが、なんだかなあ。
パリ到着も1時間遅れだったが、マルセイユ便の出発も運よく遅れていたので最初の旅のように乗り遅れることもなく午後9時前にマルセイユ・プロヴァンス空港に到着した。外に出ると抜けるような青空が広がっている。サマータイムであることを差し引いても真昼と変わらない。それでも挨拶はみんなボン・ソワールである。暑さが大阪ほどでないのは救いだ。
この日の宿は空港近くのイビスというホテルを予約してある。世界中にチェーン展開しているリーズナブルなホテルで、空港との送迎サービスもあって便利だ。バスタブはなくシャワーだけだが朝食込みで1室50ユーロだからとても安い。
翌朝空港のレンタカーオフィスに行くと、カーナビ付きのコンパクトマニュアル車を予約していたのにカーナビ付きは中型のオートマ車しか空いてないという。以前オートマを借りた時にものすごく高くついたのを思い出してそりゃあ困ると文句を言ったら、6日間で70ユーロほど高くなるだけにまけてくれた。正直を言うと、狭い急坂の多いプロヴァンスではオートマティックのほうが便利なのでちょっと得した気分だった。
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8月初旬午後9時のマルセイユ空港 |
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