Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
① 黒い聖母 ②聖アマドゥール ③ロスピタレ村 ④メルベイユ洞穴
はじめに
トゥルーズToulouse

カルカッソンヌCarcassonne

ロカマドゥールRocamadourと
ロスピタレL’Hospitalet
スーイヤックSouillac
クロマニョン人の故地
あとがき―パリにて―
附:この旅で訪れた世界遺産
メルベイユ洞穴Grotte des Merveilles―旧石器人の手形に会う―

 あまり知られていないが、ロスピタレ村には旧石器時代の壁画洞穴がある。メルベイユ洞穴だ。村のインフォメーションが受付で、洞穴はその裏手にある。この旅で最初に訪れる壁画洞穴だ。洞内はそれほど奥行きはないが、広いホール状になっていて、天井からはたくさんの鍾乳石が垂れ下がっている。床面には小ぶりなリムプールも形成されていて、鍾乳洞としても美しいほうだろう。現在も地下水がしみ出しているため壁面は方解石に覆われて壁画の残りはいいとは言えないが、それでも馬や山羊、それにぜひ見たかった人の手形などを確認できた。夢中になって見ていて何度も鍾乳石に頭をぶつけそうになり、そのたびにガイドのお姉さんに「アトンスィオン!」と注意されたが、こちとらの頭を心配してくれたのか鍾乳石を折られることを心配してのことなのかは定かでない。
ここの壁画はほぼ2万年前に位置づけられている古い段階のもので、使われている色は黒一色だ。描法も稚拙で、残りの悪さも手伝って地味な印象を与えるが、初めて目にする本物の旧石器時代の壁画に大いに満足した。