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駅前レストラン ―大急ぎで食べた鳩の味―
夕方になってシテを後にし、駅に向かった。カルカッソンヌで夕食をと思っていたのだが、日曜で休みの店が多い。列車の時間も気になるので、結局駅前のブラッスリーに入った。店の名を忘れてしまったが、ガラス張りの明るい店だ。ここの定食は前菜にサラダ、主菜、デザートで組み立てられており、メインの皿を牛肉、豚肉、ウサギ、鳩から選べるようになっている。ウサギか鳩かちょっと悩んだが鳩を選んだ。
前菜はパテやハムなどがかわいらしく盛り付けられた皿だったが、サラダはドライミートや胡桃が散らしてあって、馬に食わすのかというほどの山盛りである。鳩のロティはスパイスがほどよく、特有の癖もいい風味に変わっていて旨かった。ワインは土地のテーブルワインの赤をカラフェで頼んだが、これがけっこう重くて、スパイシーな鳩によくあう。
連れ合いが選んだ主菜は牛肉だったが、レアに焼いた肉を細切りにして赤ワインのソースを絡めたものを山盛りのフライドポテトのうえに盛り付けてある。この牛肉が和牛のように柔らかくて旨かったのだが、もっと驚いたのはジャガイモの旨さだった。ホッコリとネットリを併せ持っており、上品な甘味がある。ジャーマンポテトやスパニッシュオムレツにしたら旨いだろうなあと感心した。
これだけの料理、1時間ほどで味わったのはもったいなかった。結局スフレとアイスクリームのデザートは食べきれず、コーヒーもそこそこに駅まで走ったら、もう最終列車は入っており、ぎりぎり駆け込み乗車だった。なんというか、最終が早すぎるんだよ。昼間の本数ももっと増やしてくれよSNCF。
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