Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-
 
 
 
HIVER PRINTEMPS ÉTÉ AUTOMNE
1 Pourquoi le sushi fait-il l’unanimité ?
(なぜ寿司に異論なし?)

手の中で、酢を合わせたご飯を小さく丸め、まさに新鮮な海の幸を合わせる。そうこれが寿司だ。しかし本当にこれほど単純なものなのか?実は、多くの秘伝がこのこよなく愛されているものの真髄に隠されている。それらの秘伝のベールをはがすことで、寿司の複雑な世界を幾分かいまみることができる。
米と魚は日本の美食の屋台骨であり、この二つが見事に調和したものが寿司である。寿司は海の幸をバクテリアから守ることができる米の乳酸発酵の力を利用して、食べ物を保存する方法の一つであったのであろう。」

滋賀県の鮒ずしなどがその代表例である。
氷がすぐ手に入ることがない時代、ましては冷蔵庫などあるはずもない時代、発酵させることは、食べ物を保存するためにとても重要なことだった。でも、保存できればいいというものでもない。やはりおいしく食べたい。
鮒ずしやクサヤの干物などもその一つなんだと思う。フランス人にとってのチーズもきっと同じこと?。
現代日本 1126-1128
2 Attaques à Paris : « J’ai senti comme un pétard qui explosait dans mon bras »
(パリ同時テロ 「腕で爆竹のようなものが炸裂した感じがした。)

「ムスリムがテロリストなのではない。でもテロリストたちはムスリムなのだ。」
「イスラム教徒だけがテロリストなのではないでしょう。そこにはあらゆる人種がいるのです。」。
「なぜ彼らはこのようなことを求めるのだ、彼らは本当にムスリムなのか?もしわたしが「よい安息日を!」と言えば、私はユダヤ教徒になるのか。」。
テロと宗教を結びつけて考えるのはなぜか?そこに惑わされては大切な命を失う人たちが後をたたない。自爆テロで命をなくすのは、加害者も被害者も同じ。ただ、被害者には選択する余地はない。
政治経済 1129-1131
3 5 choses à ne jamais dire à une personne atteinte d'Alzheimer –Marie Marley
 ( アルツハイマー患者に言ってはならない5つのこと。)

1、間違っていると言わない。
2、患者に反論しない。
3、これこれのことを覚えているかどうかを患者に尋ねない。
4、患者に本人の配偶者もしくは親、身近な人が死んだことを思い出させない。
5、患者を怒らせるような話題にはふれない。
科  学  1132-1134
4 Le prix Nobel de littérature attribué à la Biélorusse Svetlana Alexievitch. 
(ノーベル文学賞はベラルーシのスベトラーナ・アレクシエヴィチ)


社会派で1948年ウクライナ生まれ。ボリス・パステルナーク(1958)、ソルジェニーチェン(1970)、ブロツキー(1987)に次ぎ、ロシア語による作品でノーベル賞をとった女性第一号である。
彼女の武器は万年筆とテープレコーダー。作品の中には証言者の苦しみ、戸惑いから発せられた肉声が記されている。
歴史文化 1135-1137
5 Airbnb, l'envers du décor. 
(エアビーアンドビ―の実情。)

このサイトを通して、世界192か国34000の都市から、30万もの住居が提供されている。提供される宿はニューヨークが第1位で、次いでパリである。このサイトを通して宿を予約するとかなり安価となる。エアービーアンドビーは宿から3%、旅行者から6~9%の手数料をとるだけだという。宿は寝るだけと考えている旅行者にとって安いは重要なことだし、地元に入り込めるのもメリット。ホテル業界はたまったもんじゃない。でも困るのはホテル業界だけでもないようだ。さて、このエアービーアンドビーの実情とはいかなるものか。
社会事象 1138-1140
6 Le Edo-mae zushi, une quête d’authenticité. 
(江戸前寿司とホンモノの探求。)

寿司列島、地方の特別料理
地方の材料を基本とし独特の料理法に従って固有の寿司を持たない日本の地方はない。一般的に酢が使用されるのであるが、一部の場所ではむしろ材料を発酵させる方法をとる。それぞれの地域で、その地域の海からあがる幸が寿司を舌と目を楽しませる。
*北海道の蟹箱寿司
*秋田県のハタハタ寿司
*石川県の蕪寿司
*笹巻毛抜き寿司 
などがそうである。

とフランスの記事になっているところがなんとなくおもしろい。
現代日本  1141-1143
7 « Changez votre photo de profil » : Facebook et le bleu-blanc-rouge en un clic.
(プロフィール写真を変えましょう。) 

FB、ワンクリックで三色旗に
私たちの政治的態度の方向性に関するソーシャルネットワークの影響について自問する時がきた。と神経科学者は評価している。

確かにパリの同時テロの後、プロフィール写真の上に三色旗を重ねている人たちが多くいた。なんとなく不思議な気持ちになった。日の丸問題、国歌斉唱問題、私たちの国にとってはデリケートな問題なはずなのに、なぜか日本人も三色旗を重ねていた。なにを表現しているのだろうか。と戸惑ったような覚えがある。
政治経済 1144-1146
8 Alzheimer : deux tiers des patients n'osent pas se plaindre.
( アルツハイマー患者の2/3は嘆きを漏らさない。)

オピニオンウェイによって実施された調査が、この病気に関する社会通念を捨てさせることになる。
というのも、80%のアルツハイマー病患者は自分の状態について極めて明瞭に感じ取っているという。
思い出せない苛立ち、わからなくなっていく不安、それらを感じながら、家族に迷惑をかけてはとそれを口にだすことができない。それがわかっていれば、アルツハイマー病患者をサポートするとき、患者と向き合う姿勢がかわるかもしれない。
科  学 1147-1149
9 Un grand entretien avec Svetlana Alexievitch, prix Nobel de littérature 2015. 
(ノーベル文学賞スベトラーナ・アレクシエヴィチとの長い対談。)

彼女は語っています。
「私たちの村には恐ろしく孤独な一人の女性がいました。経済封鎖の間、彼女の家族全員が沼地に隠れて生活していました。日中、彼らは細いチューブを通して呼吸をしていました。夜、彼らは外に出て、衣服を乾かし、少し食事をしました。彼女には絶えず泣いている小さい娘がいました。小さい娘はお腹が空いて泣いていたのです。他の人たちはその声が聞かれるのではと恐れていました。最終的に、母親は小さな娘を殺しました。おそらく溺死させたのだと思います。そのすぐ後、村の誰もが彼女に背を向けました。・・・」

これが戦争の実態なのです。
歴史文化 1150-1152
10 Agressé par son hôte ? Airbnb plaide non responsable. (家主の暴行にエアビーアンドビーは責任回避。)
性暴力への苦情
7月4日、19歳の米国人がスペイン旅行の時にAirbnbを通して宿を予約した。この人は以前に行ったブラジル旅行でもAirbnbで予約し、素晴らしい経験をしていた。ところがこのマドリッドでは、予約したアパートで家主に監禁され、包丁で脅される。彼はこの苦境を母親にSMSを使って送るのだが、母親はアパートの住所を知らないので救助のための電話をすることもできない。母親はエアービーアンドビーに電話をしたのだが、息子が予約した宿の住所を教えてもらえない。絶対絶命!
★まったく知らない人のところで泊まる時は、くれぐれも用心を。
社会事象 1153-1155