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はじめに
フランスは農業大国です。詳しい最新のデータはありませんが、2017年現在の食料自給率はカロリーベースで120%を超えているようです。生産額ベースでも100%は超えていますから、EU域内トップクラスの農業国だということがわかります。
もちろん酪農も盛んで、チーズの生産量ではEU1位の座を明け渡したことがありません。フランス各地でいろんな原料乳を使った個性的なチーズが作られており、ワインとともにフランス人の食卓には欠かせないものになっています。
日本にもさまざまなタイプのチーズが輸入されていてチーズ専門店も増えてきました。その日のメニューや気分に合わせてチーズを楽しむことは、私たちの食の世界を大きく広げてくれることでしょう。チーズのことを少し知ってそのラベルを見れば、どんなタイプか、品質はどうか、どんな味わいかといったことがある程度わかるようになり、その楽しみが何倍にもなること請け合いです。
チーズのことが少しわかってくると日本のチーズにも興味がわいてくるでしょうが、日本にはフランスと同じチーズはありません。これは「土地柄」が決定的に違うからです。でもがっかりしないでください。日本にだって世界に向けて発信できるような素晴らしいチーズを作っている意欲的な工房がいくつもありますから。ワインでも同じことが言えますが、フランスのチーズを知ることによって日本のチーズの良さがより深くわかるようになるでしょう。そうなれば食卓の楽しみがますます広がることになりますね。
これから私たちと一緒にフランスチーズの基礎を学んでいきましょう。チーズに関する単語もいくつも出てきますよ。フランスチーズにまつわる逸話やこぼれ話もところどころにちりばめておきます。
ただ、最初に白状しておきますが、これを書いているのはチーズの専門家ではなくただのチーズ好きのおじさんです。ですから、知識不足なところもいっぱいありますし、思い違いもあるかもしれません。でも、このおじさん程度の知識があればチーズをより楽しめるんだと思って笑って見逃してください。
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