Ecole de français du Kansai -Traduction, Interprétariat, Guide-

フランスチーズを楽しみましょう  L‘agrément des Fromages de France

はじめに
AOC、AOPとIGP
チーズの種類とタイプ
★原料乳による分け方
生地pâte の種類

⑴ ハードタイプのチーズ
⑵ 柔らかいチーズ
⑶ ブルーチーズ
   ーPâte persillée―
⑷ 乳清チーズ
Fromage de Lactosérum
⑸ フレッシュなチーズ
   ーPâte fraicheー
⑹その他のチーズ
生産者による分類
製造工程の一例
フランスのチーズA~
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4. フランスのチーズR

  ㊳ Roquefort , Causses de l'Aveyron , AOC 1925 , AOP 1996

 
ロックフォール:ロックフォール・シュル・スルゾン村Roquefort-sur-Soulzon から半径100㎞以内の牧場で得た羊の無殺菌乳、PP、乳脂肪32%。直径19~20㎝、高さ8.5~9.5㎝、重量2.5~2.9㎏。
 フランスを代表する青カビタイプのチーズで、イタリアのゴルゴンゾーラと並んで世界で最も知られたブルーチーズである。英国のスティルトンと併せて「世界三大ブルーチーズ」と言っているのは日本だけ。
 その歴史は古く、カール大帝が大いに気に入って毎年クリスマスに王宮に送らせたとか、ルイ14世が「王のチーズにしてチーズの王である」と讃えたとかいう逸話が伝えられている。早くからコピー商品が出回っていたロックフォールの本物を保護するために1411年シャルル6世のときに発せられた議会布告がAOCのルーツで、1925年ロックフォール保護のための判決の結果制定された法律がAOCの骨格となった。したがってこのチーズだけAOCの認証年が1925年になっている。
 このチーズの誕生についてはもっと面白い伝説が伝わっている。昔一人の若い羊飼いが涼しい洞窟でパンと羊のチーズの弁当を食べようとしていたところ、美しい娘が通りかかるのが見えたのでふらふらついて行ってしまった。数日後洞窟に行ってみるとパンはカビだらけに、チーズは青い綿毛に覆われていた。若い羊飼いはチーズがもったいないと思って食べてみたところとてもおいしかった。
 この伝説を伝え聞いたカサノヴァは「ロックフォールは媚薬だ」と言ったとか。
特有の青カビはペニシリウム・ロックフォルティPenicillium roqueforti と名付けられている。針を刺してチーズ全体にまんべんなく広がるようカビの繁殖を助ける。熟成はロックフォール・シュル・スルゾン村のコンバルー山Montagne du Combalouにある自然の石灰岩洞窟で行うことが義務付けられている。洞窟内は通年7℃から9℃に保たれ、フルリーヌと呼ぶ割れ目が通気性を保っている。定期的にひっくり返して、熟成が終われば錫箔で包んでカビの繁殖を止め、さらに3か月熟成を続ける。
熟成するほど力強くなる。クリーミーで強い塩味と羊乳特有の甘い後味。軽くトーストした薄切りのバゲットに乗せたりして、強い赤ワインや年代物のポルトとよく合う。

ロックフォール